親の転勤やその他さまざまな事情で転校をする子どもたち。
そうした子どもたちは新しい環境に1人で飛び込んでいくことになります。
大変残念なことに、転校をきっかけにいじめにあったり、
不登校になったという話も聞きます。
その一方で「転校してよかった!」と成長の機会にできた人もいるようです。
転校があたえる影響はとても大きいのに、
これまで転校に関する支援はほとんどありませんでした。
「転校」を上手く乗り切り、よい「転機」にできる方法があるのなら、
その法則を導きだして多くの親子にシェアしたい
という思いではじまったプロジェクト。
転校を「研究」し、成果をシェアしながら、
転校生同士やその親同士を「つなげる」ことに取り組んでいます。
プロジェクト内容
01 アンケート&インタビュー調査
転校経験談や困りごとなどを集めるために、2021年12月にWEBにてアンケート調査を行いました。
寄せられた多くのエピソードから、子どもがたった一人で「転校」に向き合うことの難しさを改めて認識しました。
また、必要な支援として「転校生同士の交流」「親が子どもにしてやれるサポート」「受け入れ側(先生)の理解」の要望があったので、その3点について取り組むこととしました。
02 文献調査
転校生に関する先行研究は予想以上に少ないものでした。
しかし、小泉令三先生の「新しい出会いを活かして~転校を心理学する~」(北大路書房)は示唆に富み、具体事例も豊富でしたので、プロジェクト全体の参考とさせていただきました。中学生向けに書かれた読みやすい本です。
→ 小泉先生へのインタビュー記事前編
→ 小泉先生へのインタビュー記事後編
03 「転校虎の巻」&「転校パスポート」制作
「転校虎の巻」
今日から活用できる転校生の親のためのマニュアルです。
転校することはかわいそうなことなのか?という観点からデータを集め、その上で、転校は決してマイナスなことばかりではないと示してあります。さらに、実際子どもが転校することになったときに親ができることを3つにまとめました。
「転校パスポート」
新しい学校の先生に味方になっていただくためのコミュニケーションツールです。プリントアウトをし、我が子の特性を記入する欄に親子で記入してみてください。そして、新しい学校に挨拶に行くときに担任の先生にお渡しください。
小泉令三先生に監修していただきました。
04 オンラインワークショップの開催 2022年2月ー3月開催
「転校虎の巻」をテキストとして使用し、「生きる力」教育の関美佳氏を講師に迎えて講座を行いました。
「転校をパニックではなく成長の機会にする3つのコツ」を伝えると同時に、悩みや体験のシェアも重視しました。
オンラインだからこそ同じ立場の子ども同士、親同士が出会え、自分ひとりではないという気持ちを共有できました。
親向けワークショップ 2022年2月17日、3月8日開催
→親向けワークショップの様子
転校生向けワークショップ 2022年3月4日 小学1~5年生向け/小学6年生向け開催
→転校生向けワークショップの様子
05 転校生応援動画作成
転校生応援動画「転校生になる君へ」
「転校」が自分事になった子どもに真っ先に目にしてもらいたい動画です。
ワークショップに参加した子どもたちのコメントに注目してみたください。
子どもに「あなたを応援している大人(親・教師・第三者)がいるよ」「あなたの他にも転校する仲間がいるよ」「転校をいいチャンスにしてね」ということを伝えたくて制作しました。
転校は、誰もができる経験ではありません。
子どもは転校をする中で沢山の新たな出会いを得て、
時には困ったことや辛いことも乗り越え、
一まわりも、二まわりも大きく成長することでしょう。
転校は、「かわいそうなこと」ではなく、「成長の機会」にできるはず。
そして、その経験はきっとその子の人生を支える力になっていきます。
転校生のみなさんと、それを支える親御さんを応援しています。
【転校生支援プロジェクト】
主催:一般社団法人TENKIN LAB
本プロジェクトは一般社団法人心豊かな社会をつくる子ども教育財団の助成(2021年度)を得て行いました。
- プロジェクトへのお問い合わせはコチラへ
- プロジェクト進捗情報は転勤ノオトまたは転勤ノオト公式Instagramからチェックできます